リビングにお邪魔すると、一般的な住宅より天井の高い開放感ある空間が迎えてくれるS様邸。本来は天井裏に隠れるはずの梁を「見せる」作りに、「施工途中に」変えてもらい、梁は施主様ご自身で色を塗られたのだとか!
施工例コーナーでも紹介したS様邸に今回はお邪魔し、あちこちに詰まったこだわりを聞かせてもらいました。
ご住所 | 三重郡 |
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ご家族構成 | ご夫婦、お子様1人 |
建築形態 | 新築 |
完成時期 | 2015年8月 |
家づくりを考えるようになったきっかけは?
アパートに暮らしながら子どもを育てているうち、「隣近所に気兼ねしない自分たちの城を持ちたい!」という願いがどんどん膨らんできたんです。 その頃ちょうど僕の実家の向かいにハウスメーカーのモデルハウスが建ち「とりあえず一度、見に行ってみようか!」と実際に新築一軒家をみたことで、マイホームを建てたい気持ちが固まりました。 それからは、色んなハウスメーカーを見て回りましたね。
桜小川建築を訪問した理由
妻が一番強く望んだのが、「安心安全な家に住みたい」ということ。例えば分譲マンションや建売住宅だと、壁の中までは自分たちで確認できませんよね。妻は、家が建つところから見届けたいと。僕も同じ気持ちでした。
ある日僕が友人と飲みに行った際、「家を建てるなら大工さんにお願いしたい」という話題になったんです。
そういえば僕の実家を建ててくれたのは桜小川建築さんだったなと思い出しました。まずは電話で訪問の予約をし、桜小川建築の事務所に行ってみたんです。
その時に対応してくれたのが、棟梁の小川さんです。 小川さんの接客は、僕たちがそれまでに回っていた他のハウスメーカーさんとは全然違いました。良くも悪くも、全然アピールしてこないんです(笑)。
それでも、家づくりに対する思いを聞いていると「あぁ、この人は大工という仕事に誇りを持っているんだな」という信念が伺えました。
その帰りにはもう妻が「私たちの家、あの人に建ててもらいたいね」って言っていましたね。
桜小川建築に決めた理由
実は小川さんに会ってからも、モデルハウスめぐりは続けていたんです。色んな家を見て、ハウスメーカーの営業さんと話をしていました。 ある日、僕たちが求めていた土地が売りに出されていることに気づき、仮押さえをしたんです。
ずっと気になっていた土地と遂に巡り会えた、と嬉しくなって真っ先に連絡したのは、小川さんのところでした。
やっぱり桜小川建築さんに建ててもらいたい、この先何十年も小川さんに直してもらいたい、という気持ちがしっかり固まっていたんだと思います。
どんな家が理想だった?
こうしたい、ああしたいという思いは、ハウスメーカーを回りながら実はどんどん蓄えていました(笑)。それで切り抜きなどをストックして小川さんに見せながら説明しつつ。
僕からの強い要望は、自分の「書斎が欲しい!」と「戦艦大和200分の一スケール模型をこれから組み立てるから、必ず陳列して欲しい」の二つです(笑)。
奥様はいかがでしょう?
キッチンから家族の暮らしを広く見渡せる作りにして欲しかった、ということですね。 家に帰ってきた子どもがいつか黙って自分の部屋に行ってしまわないよう、必ずリビングを通る作りにしてもらいました。
それから広間はフラットであること。 これは掃除の手間のこともありますし、子どもの安全のためでもありますし、それから自分たちの将来のことも考えました。
打ち合わせ中や建築中の思い出
現地で家が建ち始めてからも「どうしよう、どっちを選ぼう」ということがたくさんありました。例えば外壁のサンプルの素材を20くらいズラっと並べて「どれにしよう」と現地で(笑)。小川さんは「まだー?」って言いながらも気長に付き合ってくれました!
ハウスメーカーさんによっては、安全確保の為という名目で、家が建ち始めると施主でも中に立ち入れないことがあるようです。けれど桜小川建築さんは、私たちが作業場へ行くといつでも中に入れて下さいました。
今はもうすっかり壁の中に隠れましたが、うちの子が落書きした跡が色んな柱に残っています(笑)。
奥様はいかがでしょう?
家をつくる記念に、思い切って静岡の作家さんからステンドグラスを購入したんです。ちょっとお値段は張りましたが、娘の名前にちなんだ色が盛り込まれています。それで「小川さん、コレをお願い!」と(笑)。 どこに設えるのが良いだろう、ここが良いかな、やっぱりこっちかな、と随分迷いましたが、小川さんは「納得できるまでやろう」というスタンスで付き合ってくれました。 完成した今、家事をしている時そのステンドグラスがいつも目に入ってきて、とても嬉しい気持ちになります。
住んでからの感想
もう、悪いわけがない! それもそのはず、わがままをいっぱい聞いてもらいましたもん(笑)。ドア一つ、壁一つ取っても建築中の楽しい思い出ばかりが蘇ってきます。
この家で一番気に入っているところは?
もちろん、玄関にドーンと鎮座する戦艦大和! それから書斎にズラリと並ぶギター。見る度にウットリしています。
奥様はいかがでしょう?
収納です。棚やニッチをあちこちに作ってもらいました。建築中、壁に「ここにニッチ」と書いた紙をペタペタと沢山貼っていったのも良い思い出です。
それから、我が子が起きるのをキッチンから見守れるところもお気に入りです。テレビ前に和室を設けてもらい、私と娘は今そこで寝起きしています。 アパート住まいの頃は、朝の支度中に別の部屋から泣き声が聞こえ、慌てて飛んでいき……、という暮らしでしたが、今は「あら起きたんだね」とすぐに気づくことができます。
桜小川建築、こんな人にオススメ!
もちろん全員におすすめしたい! ……のはやまやまですが、こだわりがない人や面倒臭がりの人だと大変かもしれません。 逆に自分の家を自分で創ることを喜びと感じられる人には、とってもおすすめです。
家づくりを通して自分たちの個性を発揮したい、という僕たちの思いに小川さんはいつも寄り添ってくれ、「理想の家を一緒に作ろう!」声を掛けてくれました。
建築中に「予算を抑えるために押入れの壁を自分で塗りたい」と無茶を言い出した僕の付き合ってくれ、夏の暑い日に汗だくになって一緒に珪藻土を塗ってくれたことも……。
家が無事完成し、今度は小川さんに庭づくりの相談に乗ってもらっています。先日は一緒に砂利を敷いてもらいました、小川さんは大工さんなのに(笑)。 何年も何十年もこうして小川さんに家を見てもらい続けることができる、というところも、地元の工務店ならではだと思いますよ。
これから家を建てる方にアドバイスをどうぞ
僕たちは小川さんにかなり無茶を言ってしまいましたが……、自分達の家を建てるにあたって、良い意味で「遠慮したらアカンよな」って思います。
僕には僕の、妻には妻の、小川さんには小川さんの「良い家」に対する思いがあるはずです。けれど、その具体的イメージが必ずしも一緒であると限りません。それを会話しながら一つ一つ相手に分かっていただくのが大切。
工務店もハウスメーカーも、自分達の家づくりを一緒に進めてくれる人。ただし、そこに住むのは僕たち家族です。
だからやっぱり、言いたいことを言わずじまいにしてしまうのは勿体ない。遠慮せずに言ってみることが大切かなと思います。それでより良いアドバイスを伺えることもありますし。
ご主人と小川さんの2人で珪藻土を塗ったという押入れを見せてもらいました。 「途中で力尽きちゃって、押入れの天井は……」と言う天井を見てみると、そこにはご主人の名前が! 「でも、それも含めていい思い出。家が完成した時は、ちょっと寂しかったくらい」と振り返るご主人様の姿から、S様の家づくりがいかに充実していたか伺えました。
奥様こだわりのニッチや棚には、奥様の故郷ゆかりの備前焼や家族の写真があちこちに。飾り棚の余裕はまだまだたくさんあったので、家族の楽しい思い出写真をますます増やしていけそうです。
S様ありがとうございました